美術の創作活動を通じて京都府市民の精神文化向上に多大の功績があった人に対して「京都美術文化賞」を授与。
猪熊 佳子 (いのくま けいこ) 日本画
1958年京都府生まれ。1984年京都市立芸術大学大学院修了、買上賞受賞。全国の里山に取材し、静謐な森やそこに住む小さな生き物の命をモチーフに色鮮やかな透明感のある画風で描き出す。景色の描写にとどまらず、独自の筆致で奥行きある光や空気までも絵画表現として成立させ、自然の息吹と温かみを表現する。近年取り組む金箔やプラチナ箔を背景にする作品は独特の空気感を醸し出す。1999年日展文化庁買上げ、2003年日春展外務省買上げ、2017年祇園祭絵はがき一筆箋原画献筆。
吉岡 俊直 (よしおか としなお) 版画
1972年京都府生まれ。1997年京都市立芸術大学大学院修了。在学当時よりコンピュータグラフィックスを使用した版画作品を制作する。ゴムシート、発泡ウレタン、プラスチックなど身近な素材とデジタルテクノロジーとが融合した作品を発表。表現メディアは平面、立体、映像と多肢にわたるが、一貫して「自然の形や振る舞いをデータとして抜き出す」というテーマで制作を続けている。1998年「Factry」(キリンプラザ大阪)、2006年「声VOICE」(ガレリアフォナルテ/愛知)、2022年「京都版画トリエンナーレ展」(京都市京セラ美術館)、いずれも想像を上回る素材感とスケールでインスタレーションを展開し、新たなデジタルとアナログの融合を作品で実現させている。2015年より京都市立芸術大学(美術科版画専攻)教員。
草間 喆雄 (くさま てつお) ファイバーアート
1946年愛媛県生まれ。'69年武蔵野美術大学卒業、京都川島織物勤務。'73年米国クランブルックアカデミーオブアート大学院修了。'65年代より海外で始まった新しい繊維造形(Fiber Art)の動きに影響を受け、70年代、米国に渡り新しいFiber Artを学ぶ。以来現在まで京都、岡山において繊維を使用した新しい作品を作り続けている。'75年州立ユタ大学助教授、'89年京都成安女子短期大学教授を歴任。'11年より岡山県立大学名誉教授。
2023年5月30日、ウェスティン都ホテル京都において、第36回京都美術文化賞贈呈式を開催しました。
【特別展示】
第13回受賞者―堂本 元次 井上 隆雄 江里 佐代子
第14回受賞者―渡辺 恂三 木代 喜司 福本 繁樹
第15回受賞者―岩本 和夫 小林 陸一郎 栗木 達介